日本にいると便利につかえているモノが、世界に行くと無かったり使えなかったりすることが多いですね。
海外の人が日本に来日して感動する1つが「トイレ」です。
日本では当たり前に使っているトイレですが、海外の人はとても驚くほど綺麗で清潔で快適だといいます。
そんなトイレを作っている会社といえば、誰もが知っているTOTOです。
TOTOの小倉第一工場/TOTOサニテクノ小倉工場で、衛生陶器の製造工程を見学することができます。
TOTOのトイレ製造工程の工場見学
最初に便器の種類について説明
便器の大きさも様々
家にある普通サイズの便器とお相撲さんや身体の大きい人が使う大きな便器が並んでいます。
一回り大きな便器なので、普通の人が座ったら落ちちゃいます。便座を下げるのを忘れて座った時のような感じですね。(私は経験がありますが、無い人もいますかね)
陶器で作られているトイレなので、型で成型して乾燥させると3%小さくなり焼くとさらに10%も小さくなるそうです。
そのため、基本設計を作り上げたら、逆算して、焼く前の大きさ、乾燥させる前の大きさを計算して、型を作り上げていく作業をしているそうです。
原料になる石
陶器製品を作るのに適している砂みたいな物が取れるのが、小倉だそうで、TOTOは小倉の地で創業したそうです。
砂みたいな物は、陶石や粘土など約15種類の天然素材を組み合わせたもので、これに水を加えて混ぜたものを泥漿(でいしょう)というらしいです。
この泥漿は見た感じ泥水みたいですが、粘り気のあるドロっとした感じのものです。
型を作るための型を作るそうです。
型を作るための型は、樹脂で作られていて型も消耗品だそうです。
工場の中に入る前の説明が終われば、工場内へ
いよいよ、工場見学へ
- 色んな機械がところ狭しと並んでいます。
- 型に流し込まれた泥漿から便器のカタチをしたものが出てきます。
- 便器の蓋(ふた)と便座は別々で作られています。
- 接着剤で便座とフタをくっつけます。
この時点では柔らかいので作業は慎重に行わないといけません。 - 窯の中は1200度の高温
- 焼きあがった便器は約60項目のチェック項目を確認
- 色の若干の違いがあるだけでも不良品
- 従来品と最新商品の性能の違いも見せてくれます。
衛生陶器とは・・・
陶器は粘土に光沢のある釉薬(うわぐすり)をかけて焼いたものです。
衛生陶器とは、浴室やトイレなどの衛生設備(水回り)に使われるモノのことをいいます。
白い衛生陶器は、19世紀の中頃にイギリスで作られ始め、アメリカで技術が確立されました。
日本では、長く木製の便器が使われてきましたが、関東大震災(1923)の復興から昭和に入る頃にかけて東京などでは陶器の和式便器が使われるようになりました。
昭和30年代には上下水道の普及や団地の建設により洋式水洗便器が普及し始めました。
今では普及している電気が必要な温水洗浄便座が出始めたのがその20年後のことだそうです。
このように、上下水道や電気などのインフラが整備されてきたことと日本では便器も進化し続けてきているのです。
新興国では、同じような道を歩むと考えられ、品質がよく機能性の高い日本の衛生陶器の需要も高まる予想です。
世界の人が感動する温水洗浄便座
私たちは当たり前に使っている温水洗浄便座ですが、海外にはまだ無いところが多く、観光に来た人が便座の部分だけを買っていくことが多いです。
日本では温水洗浄便座のことをウォシュレットと呼んでいますね。
ハリウッドスターや海外セレブが日本に来日して、ホテルなどで初めて温水洗浄便座を体験し、感動して自宅用に購入したという話をよく聞きます。
このウォシュレットは日本が世界に誇る技術です。
日本ではウォッシュレットは一般家庭で74%の普及率で、この高い普及率を実現したのは、TOTOです。
ウォシュレットは昭和55年(1980年)に商品化されて、人を感知して便座のフタが開いたり、除菌効果のある水が便器に噴霧されてトイレを綺麗に保つ機能があったり、ウォシュレットも進化しています。
でも、ウォシュレットは、日本国内だけで進化してきた商品で、海外にウォシュレットが販売されたのは2000年以降で海外普及率はまだ低い状況にあるようです。
清潔で快適な日本のトイレ
ウォシュレットは、それまでアメリカの医療用として使われていたシート型洗浄機をもとに開発されたそうです。
その開発には、日本人の細やかな心配りと高い技術が生かされています。
快適さを追求するために便器の大きさから始まり、洗浄に使う温水の温度や噴射する量、温水を当てるノズルの角度などあらゆる条件が検討されて試作品が数多く作られました。
その結果、
もっとも快適な数値として、洗浄に使う温水の温度は人肌の38℃、量は毎分500cc、温水を当てる角度は斜め後ろ43度からなどいろいろなことが分かったのです。
その過程では、便器に座ったときの標準的な肛門の位置を測るために、TOTOの社員300人が協力してデータを集めたという。
最初の頃は、恥ずかしさから抵抗もあり、難航したとのことですが、この時のデータがTOTOにとっては無くてはならないデータとなり、便器の開発に大きな成果をもたらす結果となったのです。
また、温水を出すノズルなどの制御にはマイコンが使われていますが、マイコンは水やアンモニアに弱いという性質があります。
そのため、過酷な条件のもとでも故障することなく作動するマイコンを開発するため、技術のある自動車部品メーカーの協力を得て開発が進んでいたようです。
こうして、誕生したのが初代ウォシュレットです。
ウォシュレットを開発したTOTOグループは18の国と地域で事業を展開し、中国やインドネシアなどの新興国では、すでに高級衛生陶器のブランドとしてTOTOは知られています。
さらに、アメリカやヨーロッパの展示会などにも積極的に出店して日本初の温水洗浄便座がもっと海外でも知られるように普及活動に力を入れていくそうです。
私たちの身近にあり、当たり前に使っているモノが実は、海外からみたら不思議なモノだったりするんですね。
でも、日本製品は快適で清潔、そして便利なモノが多く、日本人の文化にあった商品が多数あります。
工場見学に行くと、新しい発見があり、子供の自由研究の内容にいいですね。
他には、
の記事も書きましたので参考までに。
夏休みの自由研究を進めるにあたってのテーマの決め方や
自由研究のまとめ方について知りたい方はこちらへ。