特別警報とは、あまり聞き慣れない言葉ですが、特別警報が発令されたときに私たちは何をしなければいけないのでしょうか?
台風8号による猛威により数十年に1度の異常事態ということで、沖縄本島・宮古島で特別警報が発令されました。
台風が近づく前に「特別警報」の発令を出す可能性があると気象庁が記者会見をして注意を呼びかけました。
特別警報:どのような行動と備えが必要なのか?
特別警報は、平成25年(2013年)8月30日からの運用です。
その際に気象庁が発表した特別警報の意味とは・・・
特別警報とは、命に関わる非常事態が迫っていることを知らせる情報のため、直ちに命を守る行動を取ること。
この特別警報には、伝達の流れに大きな特徴があります。
今までは、気象庁から住民や報道機関、自治体に注意報を出していましたが、この注意報の伝達に強制力はなく、任意での伝達だったのです。
それを、自治体から住民への特別警報に関しては、伝達の義務になったのです。
各自治体は、特別警報が発令されたら、広報車や防災無線などを使って、樹民に特別警報が発令したことを伝えなければいけなくなりました。
この目的には、テレビやラジオを見ていない人や、高齢者に対しても聞いていない人がいないようにすることが目的で、住民が適切に命を守るための行動が取れるようにすることなのです。
ただ、自治体だけで全住民に伝達することは難しいため、自治会など地域との連携が必要になってくると思いますね。
過去の特別警報にはどんな災害があったのか?
2014年7月現在、台風8号が近づいてきたことで、特別警報を沖縄県が発令しましたが、それ以前は1度しか出されていません。特別警報の運用が始まってから約10ヶ月間で計2回です。
特別警報が出されたのは、2013年9月16日に起きた、京都・滋賀・福井を襲った大雨に大雨特別警報を発表しました。
この時の京都市の被害状況は、
- 負傷者3人
- 建物の半壊・全壊10件
- 床上・床下浸水1430件
- 土砂崩れ209ヶ所
となっています。
でも、実際にはこの時だけでなく、特別警報を出すべきだったケースが指摘されています。
特別警報を出すべきだったのでは?
今までに特別警報を出すべきだったのでは無いかと指摘されたケースが2件ありました。
伊豆大島の豪雨(2013年10月16日)
伊豆大島の豪雨は、1時間の間に122.5ミリの猛烈な雨、1日の降水量が525.5ミリと1時間および1日の降水量が観測史上1位を記録した豪雨でした。
被害状況
- 死者:35人
- 行方不明者:4人
- 全壊家屋:133棟
という大きな被害を受けたにも関わらず、特別警報の発表はありませんでした。
関東甲信地方での大雪(2014年2月14日~16日)
大雪の時に先頭車両がタイヤにチェーン巻いていなかったために、立ち往生して渋滞に繋がってしまったこの大雪。
この時、
- 山梨県河口湖:143cmの積雪
- 埼玉県秩父:98cmの積雪
- 東京都千代田区:27cmの積雪
河口湖と秩父では観測史上1位の積雪を記録しました。
被害状況
- 東名高速道路では東京-静岡間が通行止めとなり20時間以上立ち往生
気象庁はなぜ特別警報を出さなかったのか?
この2つの自然災害に対して、気象庁はなぜ特別警報を出さなかったのか?
ある気象予報士やニュースサイトの見解をまとめてみました。
伊豆大島の豪雨の場合、
特別警報を出す必要が無かったという判断が多いです。
なぜ、これだけの被害があったのに特別警報ではないのか?
特別警報とは、異常事態が起きることが分かって、その異常事態を防ぐことが目的になります。
伊豆大島の場合は、起こった減少があまりにも局地的で、特別警報を出すには手続きがあり、スピードを求めるために特別警報を出さずに、伊豆大島の自治体に電話をして注意を払う方が早いという判断から特別警報を出さなかったらしい。
確かに、ニュースでも避難を促す放送が流れていたりしました。これは、これで考え方については分かりますね。
でも、これだけの被害が出てしまったことを踏まえるともっと適切な対応法を考えないといけないんでしょう。
死者が出ている以上、一人でも少なくできるように、特別警報を上手く活用して注意喚起していくことは必要ですね。
関東甲信地方の大雪の場合、
数年に一度の異常事態だと気が付いた時には、雪のピークを過ぎていたため、発表が無かったようです。
特別警報を出すからには、これから先にもっと、すごいことが起きるため、命を守ってくださいねということなので、予想した上で特別警報を発表します。
この時は、予想外に雪が降ってしまい、特別警報を出す前に、積雪のピークを迎えてしまったため、発表に至らなかったらしいです。
終わってしまったことに対して、特別警報を出しても意味ないですからね。
予想はしていたのですが、予想以上の積雪になってしまい、特別警報を発表した方が良いとなった時にはピークを過ぎていたと。
ゲリラ豪雨などと同じような現象ですよね。
個人的には、特別警報をむやみに発表してしまうと、警戒心が薄れてしまい、非常事態への対応が薄れる可能性もありますよね。
過去に特別警報に値する台風はどんなのがあったのか?
今から約80年前の1934年9月室戸台風が特別警報にあたるとのことです。
- 中心気圧:911.6hPa
- 最大風速:推定60~70m/s
被害状況
- 死者:2702人
- 負傷者:14994人
- 家屋の全壊・半壊・一部倒壊:92740棟
特別警報発表時の「命を守る行動とは?」
命を守る行動とは、何が何でも避難所に行けばいいということではありません。
避難が望ましい人は、
- 山や崖の近くに住む人
- 川や海の近くに住む人
- 一人暮らしの高齢書
注意報については、どんなものがあるのでしょうか?
気象庁は、注意報を出します。
- 特別警報
- 警報
- 注意報
自治体は、避難に関わる命を守るための行動を出します。
- 避難指示
- 避難勧告
- 避難準備情報
- 自主避難
自治体から出る避難指示については、指示に従い避難する必要があります。
では、家にいる時の注意点としては、
- ベランダや庭にある飛ばされやすい物はしまう
- 雨戸は必ず閉める
- 雨戸のない窓はテープを窓に貼りカーテンを必ず閉める
- 部屋の中央で過ごし側には懐中電灯や避難グッズを用意しておく
特別警報発表時は、命を守るための行動をする必要があります。
しかし、事前に特別警報に発表することができないこともあり、見極めが難しい場合には、早め早めの行動を心掛けましょう。
特別警報が発令されたときには、タイムライン(防災行動計画)も発動しているはずです。
タイムラインに従って、私たち住民も行動することが被害を最小限に抑えることになります。
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