多くの観客の人達は、14日の流舁きと15日の追い山目当てに来られます。
博多祇園山笠は7月1日から始まり、15日にクライマックスを迎えるお祭りです。地元福岡の人は、6月から準備をはじめ、法被姿の男衆が博多や中洲などを歩いている姿を見ると、「この時期が来たか」と思います。
博多祇園山笠の楽しみ方は、人それぞれですが、山笠を楽しむなら、ここは見ておきたいというところを紹介しますね。
14日 流舁きの楽しみ方
14日の流舁きは、追い山に参加する七流のうち、土居流、大黒流、中洲流、西流、恵比須流の五流が、それぞれの流区域内を舁く、顔見せみたいなイベントです。
夕方4時または5時から出発するので、最低2つの流の様子を楽しむことができます。
前日の流舁きは、翌日の追い山に向けて舁き手の男衆の顔にも緊張感が漂っています。
私は16時に出発する中洲流を見るために、中洲大通りに行きます。本番さながらに走り始めますが、先走りと後走りがいないため、迫力はいまいちですが、まわりから水をまかれながら走っていく様子は、本番の追い山の興奮を十分に味わうことができます。
次は17時に出発する大黒流の流舁きを見るために御笠川を渡り移動します。大黒流は、アーケードがある商店街が舞台になっているので、舁き手の「オイサオイサ」という掛け声が、こだまして、迫力を感じさせます。
福岡市内のあちこちでは、飾り山笠も飾られていて、祭りのムードを高めてくれます。この飾り山笠は、博多駅、キャナルシティ博多、博多リバレイン、ソラリアプラザ、新天町、博多リバレイン、福岡ドーム、上川端通などの市内に設置され、通る人達の目をひいています。
15日 追い山の楽しみ方
博多祇園山笠の場所取りも早めに行かないと人垣に阻まれて、その迫力を見ることができないということもあります。
櫛田神社の特設の桟敷席(300席)は、売り出して10分で完売になってしまうほど人気。また、櫛田神社周辺や境内で見るために、徹夜で場所取りをする人が多く、メイン会場で見るのは諦めています。
櫛田神社で見るのが一番のスポットではありますが、桟敷席または徹夜で場所取りができるならおすすめ。
私は毎年2時過ぎには着くように移動を始めます。見る場所は、大博通りと国体道路が交差する場所、祇園駅周辺です。
この場所は東長寺の住職に挨拶をするために、山笠が一旦止まる場所です。一番山笠が出発してから6分程で到着する場所で、見せ場の1つです。
2時過ぎにはまだ人もまばらですが、徐々に人が多くなり、一番山笠が到着する頃には六重、七重もの人垣になっていて、どう考えても後ろの人は見えていません。
5分ごとに、流が到着しますが、各流によって元気さや人の構成が違います。子供や年配者、外国人の割合が違い、その様子を見ているだけでも楽しめます。
先走りと後走りの列が揃っている流もあれば、ダラダラと付いていく流もあり、それぞれの流の教育の仕方の違いにも気が付くはずです。
私はこの場所で4つの山笠を見たら、次のポイントに移動します。次の見物ポイントは近藤通り、西町筋です。
祇園駅から、冷泉町から店屋町、綱場町、奈良屋町界隈へと走って移動します。近藤通り、西町筋は道幅4mと狭い道幅で、両脇には見物客がズラッと並んでいます。
ここをスピードを出して山笠が通り抜けていく迫力はスゴイです。
家の2階の窓などから水が撒かれ、水しぶきが光に反射してキラキラと朝焼けを映し出す光景は綺麗です。その水が舁き手へと容赦なく浴びせされ、一瞬のうちに湯気となってしまうほど、舁き手の体は熱を帯びています。
ここでは、2つほどの山笠が通るのをみたら、最後の見物ポイントである廻り止め(ゴール)へと移動します。
人混みを掻き分けながら、移動していき、最後の山笠のフィニッシュを迎える場面を見ます。ここでも、全速力で走り抜けていく迫力はすごいです。
最後の山笠のゴールを迎える6時頃には、通勤や通学する人の姿もチラホラと見え始めます。もちろん、山笠の見物客の中にもスーツ姿の人がたくさんいます。そのまま、出勤する人たちは、近くの喫茶店やカフェで朝食を取ってから出勤です。
会社に行ってからは、山笠の話題で持ちきりです。
山笠が終わったあとの博多周辺は、先程までの人集りや興奮がウソのように、いつもの朝の静けさを取り戻しています。