京都通に聞いたおすすめの紅葉名所の渉成園・枳殻邸(しょうせいえん・きこくてい)。
東本願寺の庭園である渉成園。枳殻(からたち)が植えられていることから枳穀邸(きこくてい)とも呼ばれています。街中にありますが、自然が多く緑と紅葉が楽しめ、池もあり、映り込む木々もまた優雅です。子供連れでも楽しめるおすすめの庭園。
渉成園・枳殻邸の紅葉情報
八重葎(やへむぐら) 繁れる宿の寂しきに 人こそ見えね秋はきにけり(恵慶法師)
上の歌の「繁れる宿」とは、その昔栄華を極めた源融の豪邸、六条河原院を歌ったものです。源融は光源氏のモデルと言われる人物で、邸内に陸奥の塩竃の風景を写し、毎日難波から海水を取り寄せて塩を焼かせ、都に居ながらにして塩竃の風趣を楽しんだと言われるほど、贅の限りを尽くした貴族です。
「源氏物語」の舞台となった四季の庭をもつ六条院とは、源融の六条河原院ではないかと頼山陽が「渉成園記」で伝えています。その豪邸も融の死後は荒れ果てたという歌ですが、三代将軍徳川家光が東本願寺の宣如の求めで東本願寺の飛地境内地として歴代門主の隠居所となりました。
周囲を枳殻(からたち)の木で囲ったため、枳殻邸の愛称で知られ、印月池、傍花閣、滴翠軒など十三景を誇る庭園は石川丈山の作庭です。近代になり、塩竃の跡や源融の塔なども建てられ、融と光の君に思いを馳せての紅葉狩りには格好の史跡となっています。
渉成園・枳殻邸の紅葉見頃時期
11月中旬から11月下旬
渉成園・枳殻邸の紅葉ライトアップ
渉成園・枳殻邸では、紅葉ライトアップは行われておりません。
京都駅から徒歩で10分と近い場所にある街中にある庭園です。趣きのある瓦、土塀が京都という雰囲気をより強く感じさせてくれます。比較的観光客が少ないですし、京都の中心部とは思えない静かな場所にあるので穴場スポットです。
渉成園・枳殻邸のアクセス情報
- 住所:京都府京都市下京区正面通間之町東玉水町
- 交通(電車):京都駅より徒歩10分
- 駐車場:10台(無料)
- トイレ:有り
- 拝観時間:9:00~16:00
- 料金:500円
- ライトアップ:無し
渉成園・枳殻邸での紅葉動画(YouTube)
※紅葉の動画が無かったため、「源氏物語 紅葉賀 Last Part 語り 枳穀邸にて」で、雰囲気と源氏物語について触れてみてください。
まとめ
伏見桃山城から樹石を移したという渉成園は石川丈山の作庭により明暦3年に完成しました。安政5年と元治元年に大火で石組みと池のみを遺して消失してしまっています。近代になり、復元された書院式の回遊庭園で、仏寺建築と近世初期の文人好みの庭園として知られる国の名勝。蓮菜島には、平安以来の石組みも残っています。
渉成園は紅葉だけでなく、桜の名所としても知られている場所ですが、観光客が少ないので、ゆっくりと過ごすことができる場所です。