普段、何気なく使っているセロハンテープですが、
驚きの技術とアイデアが詰まっているのです。
セロハンテープの国内シェアNo1の会社は、ニチバン㈱です。
知らなかったセロハンテープの秘密を知りましょう。
いつも当たり前に使っているセロハンテープですが、
「剥がした時に背面の方に接着剤がつかない」のって
不思議に思いませんか?
皆さんは知っていますか?
言われてみれば、そうですよねぇって思うと思います。
簡単に剥がれるのに、粘着剤が残らないのでしょうか。
セロハンテープについて、疑問を解いていきたいと思います。
セロハンテープは何層で出来ているのか知っていますか?
今のテープの片面だけに粘着力を付けているのだと思っていたのですが、実はそうでは無かったのです。
セロハンテープは4層構造になっているのです。
使用している材料は、セロハンテープというぐらいですのでセロハンを使っています。
- 1層目・・・特製はく離剤
- 2層目・・・セロハン
- 3層目・・・下塗り剤(下地の接着剤)
- 4層目・・・粘着剤
3層目の下塗り剤がセロハンと粘着剤を貼り合わせる役割を持っています。
1層目にあたるものがセロハンテープを簡単にはがすための秘密を持っていそうです。
この剥がれやすさの秘密は、「特製はく離剤」にあります。このはく離剤をセロハンの一番上に塗ることでテープが簡単に剥がれるのです。
そして、はく離剤には特性があり、テープの上に文字を書いてもセロハンテープが水分を弾いてしまうからなのです。はく離剤には水分を弾くのと同じく粘着剤をはじく性質もあるのです。
そのため、セロハンテープは粘着剤が下のセロハンテープに付くことなく、綺麗に剥がれるのです。
今では、当たり前のようにはく離剤が塗られているため、下のセロハンテープに粘着剤が付かないのが当たり前ですが、1948年の発売当初ははく離剤は塗られていなかったのです。
はく離剤が無いテープは、下のテープにはく離剤が付着してしまい、下のテープを貼るとテープの上がベタベタするため、紙を重ねるとくっついてしまったりと苦情が多かったようです。
そのため、15年間の研究の末、粘着剤の強度を損なわないで、セロハンテープが綺麗に剥がれる濃度の特性はく離剤の開発に成功したのです。
セロハンテープって手で切れるのはなぜ?
手で簡単に切ることが出来るセロハンテープです。
まず、セロハンテープに使われているセロハンの原料は木片なのです。
セロハンとは主に木材を原料に作られるフィルムのことです。この木材は紙の原料としても使われていますよね。木材で作られて紙が簡単に切れるように、木材で作られたセロハンも簡単に切れるのです。
石油系で作られてものは手で切ることが出来ません。木材で作ったものと石油系で作ったものでは違いが出るんです。
木材から出来ているセロハンの特性は2つあり、
- 簡単に手で切ることができる
- 木材で出来ているため、土に埋めると分解され土になるエコ
自然から生まれたものなので、自然に還すことができるのです。
薄さ0.05mm(厚み)の中に様々な工夫がされているんですね。
セロハンテープの誕生のきっかけ(歴史)
セロハンテープ誕生の裏にはGHQが関わっていた?
今、セロハンテープのシェア1位はニチバンという会社です。
1918年歌橋製作所(ニチバンの前身)が創業し、主にばんそうこう、軟こうなどの製造・販売をしていた会社でした。
日本に来たGHQは持ってきていた米国製テープが不足する事態になりました。当時の日本には「のり」しかなくセロハンテープは無かったのです。
そこで、テープを輸入するには時間とコストが掛かるため日本で作れないかとGHQでの話があり、1947年12月にニチバンにGHQよりニチバンに製造依頼が来たのです。
それまでのばんそうこうの技術を活かして出来ないかとのことで挑戦し、1948年1月、依頼があってからわずか1ヶ月で試作品を完成させたのです。
1948年6月に「セロハン」として発売を開始して今までの総販売量1億3000万km(12mm幅テープに換算)で地球と月を169往復分もの量になるとのことです。
その長さが全く想像付きません。